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フェイヨンの隠者 ~年老いた軍師の回想録~
その昔、ラグナロクオンライン(RO)のIris,EirサーバでGvGを戦った、叩き上げの元参謀がフェイヨンの酒場で静かに語る昔話。そして彼がかつて戦場にあった折、経験の中で得た、いくつかの教訓と知識。
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4,永久的な発展-同盟を結びし者たち-(37)
 (まぁ、確かにそうなのかもしれん)
 マスターの横顔をぼけーっと見ながら、ハンターは過去の記憶を思い出して苦笑した。
 (しかし、関係を断ち切るとはいえ、かつて同じ釜の飯を食った間柄だ。そして、これが彼らに対する最後の贈り物。彼らに力あらば、この贈り物を後代に生かすことも叶おうと言うものだな…)
 これが、ハンターにとって、この世界で共に一時代を切り開いた戦友たちへの最後の手向けだった。

 ハンターが眠そうにあくびをしている間に、次週の攻城戦で取るべき戦略戦術が次々に決まっていく。もはや、彼の主導なくして会議は進むようになっていた。
 そして、これこそが、彼が本来意図していたことだった。
 (成長したものだな)
 かつてこの世界に彼らが移り住んだとき、ハンターと2代目マスター無しでは戦略戦術が満足に構築できなかった事を考え合わせると、格段の進歩と言ってよかっただろう。

 攻撃する城とタイムテーブルが決定したところで、一人のウィザードが手を上げた。
 「派兵についてはどうする?」
 いつも作戦会議で議論される事柄だったが、マスターはその問いに対して即座に答えた。
 「タイミングを見て偵察を出そうかと思います。それ以外についてはティメル案で行きましょう」
 そういって、マスターはハンターの方をそっと窺った。
 ハンターは寝不足の猫のような表情をそのままに、無言でうなずいた。他のメンバーも同様にうなずく。
 マスターもうなずくと、議題はすぐに次に移っていった。

 (ああ、そうか。『理解』したのだな。彼らに情報を開示した、もう一つの真意を)
 ソファーに身を沈めながら、ハンターは満足げな表情を浮かべた。
 (これまで構築してきた全てのノウハウを、新しい組織に引き継がせる、という真意を…)
 彼らに渡した文書には、作戦の立案内容や戦果といったデータだけが書かれていたのではない。日常における攻城戦の準備の仕方、会計処理の回し方。Gvにおける各個人の立ち回り。これまで幾度も思案を重ね、積み重ねられてきたロジックやノウハウが詰まっている。
 (彼らがそれに気づくかどうかは分からんが、少なくともうちのマスターは理解したわけか。となれば、そろそろ潮時のようだな…)
 なおも会議を続けるメンバーたちをよそに、ハンターはかぶっていたキャップを顔の辺りまでずり下げる。
 視界が暗闇に閉ざされたところで、彼は昼寝のためにゆっくりと意識を遠ざけていった。
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コメント
この記事へのコメント
会議の途中に寝るのイクナイ(゚д゚)!(ぁ
2006/01/31(火) 09:46:40 | URL | chelri #-[ 編集]
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