フェイヨンの隠者 ~年老いた軍師の回想録~
その昔、ラグナロクオンライン(RO)のIris,EirサーバでGvGを戦った、叩き上げの元参謀がフェイヨンの酒場で静かに語る昔話。そして彼がかつて戦場にあった折、経験の中で得た、いくつかの教訓と知識。
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編外余録 システムを愚弄する人々(3)
 ここから先は私が勝手に感じていることなので、必ずしも今後の事態を予測するわけではありませんが、あらかじめ御了承の上お読みください。

 この状況下で、Gv人口をチートによって引退させることによる影響を考えるとどうなるか。

 仮にAreBackDoorの作者の思惑が完全に的中したとして、ROユーザ約30000人、全体の3割のユーザ全てが引退したとしましょう。この時点でガンホーはROの売り上げの約3割を失うことになります。

 このときに、ガンホーは自社の権益を守るために、どちらのアクションを取るか、ということが、この事件の結末を決める重要なポイントなわけです。

・Gvユーザ30000人を呼び戻すために、ステルス対策を行い、全体の数割を占めるBotを締め出す。
・Botからの売り上げを守るために、対策を何もしない。

 …どうでしょうか。究極の選択に見えるでしょうか?

 前者の場合、対策を行ったとして、Gvユーザ30000人が戻ってくるかどうかはある意味で未知数です(絶望する人、信用しない人、他のMMOに移住する人も出てきますからね)。一方、Bot対策を行えば、これまでBotアカウントから徴収できていた売り上げは、間違いなく失われるでしょう。

 そう、彼らにとっては、Botであろうが肉入りであろうが、毎月1500円以上を支払ってくれるお客様なのです。
 となれば、ただでさえ全体の3割の売り上げを失った挙句、さらに数割の売り上げを減らすような事を、会社の権益に掛けてできるとは、到底考えられないことになります。ましてや、対策によって売り上げを減らしてしまっては、株主に顔向けもできないことでしょう。

 ラグナロクオンラインの不正者対策で特徴的なのが、このようなモラルハザードの存在ではないかと私は感じています。

 すなわち、不正利用者のBANを行うことによって、彼らから徴収できていた売り上げを回収できなくなり、結果会社の権益を損なう。それも、不正利用者をBANするポーズを取ることによって、一般ユーザのイメージ改善、繋ぎ止め効果を維持できるうちは良いのですが(この場合、必要経費として考えるでしょうね)、その効果を失ったとき、こうした行為は単に損失を生むだけになる。
 ゆえに、管理会社は、たとえ一般ユーザがどんなに不快であったとしても、不正利用者を全て締め出そうとはしない。

 というわけで、少なくとも↑の選択肢からは、ステルス対策を行うという回答は得づらいのではないでしょうか。

 …これが記事を目にした最初の感想でしたが、BotNewsの記事に付けられたコメント中に面白い記述がありました。

そしてここでGvGマップのみでステルス対策という斜め上の対応が行われるに100トルコリラ

 ↑の選択肢の折衷案がこれです。売り上げを最大化しようとするならば、これがおそらく最善の策でしょう。
 単純に対策の有無だけで議論した場合、こういう話になっていくのではないかと思います。

 さらにその上で、これらの対策が全て失敗し、ROの売り上げが大きく損なわれたとしても、彼らは新しく作り上げた受け皿で、ROを抜けた人々を回収することでしょう。

 つまるところ、Gv人口を引退させるという発想は、事態の好転に寄与する可能性は低いのではないか、というのが現時点の私の見解、ということになります。
 それどころか、Gvを盛り上げようとしている多くの有志に対して、非常に非礼なことであり、侮辱であると私は見ています。AreBackDoorの作者に、GvをEnjoyしている人々の居場所を奪う権利があるのでしょうか?

 その意味では、ガンホー自身もそうですが、AreBackDoorの作者自身も、ラグナロクオンラインというシステムを愚弄している人々の一人に過ぎない、と、私は感じています。
 などと書きながらGv評価スレを見ていたら。

ギルド攻城戦に影響を与える不正行為について


 ほぅ。一応動く予定はあるのですな。ならば良いのですが。
 ↑で書いた私の感想が外れていて、ガンホーがきちんと十全の対策をするというのであれば、それはそれでむしろ有難いことです。
 ただ、

・Bot撲滅におけるモラルハザードの存在
・AreBackDoorの作者に対する見解

 については、たとえ対策が取られたとしても、私の見解は変わらないでしょうね…。
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コメント
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2005/10/07(金) 22:22:07 | | #[ 編集]
お久しぶりです
ROBO同盟の時に少々お話した以外では某へるぽいのオーラ式の際にゆんねこさんを通じて多少お話した程度なので覚えていただいてないかもしれませんが…。

ここから本題ですが、モラルハザードの件はかなり納得できる面があります。実際、現在の管理体制はモラルハザードが全ての原因であるといっても過言ではないでしょう。
ですが、もう1歩踏み出して考えてみると、ROにおいて肉入りを不遇することはROの存在が成り立たなくなる事に繋がるのです。

RO内の市場経済において、主に支出をするのは肉入りであり、BOTは稼いだ物を売り巨額の富を得ているわけですが、ここで問題なのはBOTerは供給は無限大に提供しても需要は皆無である事です。
よって、肉入りが減少する事によって需要が減少し供給過多になり、市場が成り立たなくなり市場崩壊が発生します。
結果、BOTが稼ぐ意味もなくなり、RMTは廃れ、Lvを稼ぐ目的のBOTerも競争相手を失った虚無の世界のROが残るわけです。

どうでしょう、そんなROをいくらBOTerといえども続けるとは思えません。故にROそのものが破綻し、ROは終了してしまいます。この結果をガンホーとGravity両者は望むでしょうか?私は否だと思います。ガンホーとしては市場を1つ失うわけですし、重力はいまだ開発を続けているわけです。

翌日すぐに肉入りが全員撤退するという事はないでしょうが、肉入りの総数が減ればいずれこの流れに変わるのは避けられないと思われます。

ROの終了を迎えない為には肉入りが残るべきですし、BOTerは減少するべきです。ステルスについては人それぞれですから何ともいえませんが、ゲームバランスを崩す要因でもありますし、BOT抑制を始めれば自ずと減るでしょう。

大変長くなりまして申し訳ありません。
ですが、私のこの意見に対するティメルさんの感想をお待ちしています。
あと、リンクは勝手に張らせて頂きました。張り返しはそちらの判断にお任せいたしますが、更新頻度は低めですので…。
2005/10/11(火) 18:37:35 | URL | セリナ #SAu5W79E[ 編集]
 こんにちは。
 セリナさんのことは無論覚えておりますとも。かつてオントロに所属してましたよね。
 あの頃はいろいろとお世話様でした。

 さて、本件、私としては所感を述べただけだったのですが、思っていた以上に波紋が広がってちょっとびっくりです。
 いろいろ意見をもらったようなので、ちょっとそれを元に考察してみました。

 あ、事前に断っておきますが、私はガンホー社員でもなければBoterでもなく升erでもなく、ましてや経営コンサルタントでもないので、彼らの考えていることはぜんぜん分かりません。
 ここに書いたことはあくまで1ユーザとして思ったことです。

 まず、ROにおける市場経済と競争の消滅についてですが。

 ROへの依存者の存在がある以上、需要は小さくはなるがゼロにはならない可能性が高いと、私は見ています。
 無論、RMT目的のBotは採算が取れなくなるリスクは増加するので、彼らがRMTに見切りを付け、結果減少することは期待できます。
 
 しかし、自キャラ育成目的でBotを動かす場合、どんなにデフレが起こっても、肉入りからの需要がある限り供給によってZenyを得ることができるという利益構造は変わりません。
 自キャラ育成目的を前提とするならば、彼らはその利益を元にして新たな装備を買う事でしょう。そしてこれは、Bot自身にも需要というものが存在する事を意味します。
 であるならば、対肉入り市場だけではなく、Bot同士で需要供給関係が発生することも十分起こりうるわけです。
 需要供給関係が存在するからには、RMTの付け入る隙もあるわけで…(採算は少なくなりますけどね)。

 以上の議論により、肉入り減少による需要減少は、市場の縮小という形で影響し(肉入り+RMT業者の減少)、市場崩壊はしないのではないかと考えています。

 また、LvUPのためにBotを動かす場合、最終的には肉入りに戻るという前提を考え合わせれば、肉入りに戻ったBoter同士で俺Tueee競争を始めるのは目に見えています。
 ので、競争無しのROというのもまた考えづらい話です。

 もう一つ、重力とガンホーの立ち位置については。

 重力の立場としては、無論望ましくはないにせよ、さほどのダメージには感じないでしょう。ソフトバンク系列に買収された以上、たとえ日本市場のダメージがやってきてもフォローされるはずです。
 重力が開発を続けるのは日本市場のみならず、各国市場にROを輸出し続けているためです。これは、重力にとって日本市場は市場の「1つ」でしかない事を意味します。開発を続けているからといって、日本市場からの撤退は、重力にとって許容できないかというと、そういうわけでもないでしょう。

 これは勝手な予測ですが、↑のような立ち位置から考えて、少なくとも対日本に対する重力のスタンスは、ヘッドロックなどのような1開発元になるのではないかと推測しています。

 一方で、ガンホーがROの市場を手放したくないと思っているかどうかについては、一議論あります。
 これはモラルハザードで述べた事柄からの展開ですが、現在のガンホーにとって最大の収益は、Botのような不正行為者からの収入を確保しつつ、ROに対する依存状態にある人々から、支持を受け続けられるような状態を維持することによって得られているわけです。

 しかし建前上、Botから収益を得ていること自体は立て看板にできません。従って、Botに代わる収入の裏づけさえ得られれば、Botを排除する事によって、かえって投資家やユーザたちの歓心を買おうとすると予測されます。

 一方、システム運営者としての立場で、新システムと旧システムを評価した場合、(旧システムにさまざまな欠陥がある事が分かっているだけに)可能であればスムーズに新システムに移行してもらいたいと考える、という心理状態が生まれ得ます。
 この場合、新システムとはポストROとなる事を期待されたRO2をはじめとする、ガンホーが新規に課金開始するタイトルを指します。

 こうした事を前提にして今回の件を考えると…。

 旧システムで致命的な欠陥が露呈しユーザ離れが起きるということは、逆に言えばそれ自体が新システムへ移行させるための呼び水となりえます。
 つまり、彼らとしては設計がしっかりしており、よりセキュリティの高い(であろう)RO2やヨーグルティングなどの新システムに移行させるための手段として、今回の件を利用することも考えられるわけです。

 新システムのセキュリティが高く、不正行為に対する障壁が高い場合、(コンテンツに問題がなければ)不正行為そのものの減少と、肉入りユーザの定着が期待できるでしょう。

 新システムへの移行が完了してしまえば、ROのBotに対する肉入りユーザの反応は、もはや他人事、対岸の火事になります。
 こうなれば、ガンホーはBotの収入と肉入りの支持の両立ができ、めでたしめでたし…というわけです。

 そして新システムでBot収益以上の稼ぎが得られれば、たとえROが終焉状態に入ってBot収入が消滅してもなんら問題ありません。それどころか、「Botの殲滅に成功しました!」と、投資家向けに声高に語ることでしょう。
 おまけに現在のIR資料にも明記されている、ROに対する依存度も下げられて、これはこれでめでたしめでたしなわけです。

 もう一言付け加えると、Botが殲滅されたときには、代わりに休止していた肉入りが戻ってくる事が多分に予想されるわけで…。
 どっちに転んでも、ユーザの意思など関係なく、ROはガンホーにとって収益を生むシステム足りえるわけです。

 で、こういう未来への考察を踏まえて話をすると、

・現在直ちにROが終焉することは望ましくない。
・が、次期MMOへの移行が完了してしまえば、ROなどいつ終わってもいい。

 というガンホーのスタンスが見えてくるかと思います。

 そして、ROの終焉についてですが、これは各個人でそれぞれ異なるのではないかな、と思っています。

 ROの終焉とは、誰かが引退してしまう、Gvが維持できなくなる、Botがあふれかえる、そういった事を意味するのではありません。
 そうした外的要因に影響されて、自分がROを終わらせようと思ったときが、自分にとってのROの終焉のときではないかなぁと、私は考えています。

 MMOにはゲームクリアは用意されておらず、ただ自分自身がそれを定義しえる。

 その意味では誰かが引退していくこと、ROの世界を去り行く事を止めることはできないし、止めるべきでもないと思っています。
 無論寂しくはありますがね。

 私自身の感覚としては、もはやROは止まり木の一つに過ぎないという感じです。
 ROは唯一成功したネットワークゲームである…ともてはやされる時代は、もはや去りつつあります。我々はROによってMMORPGの可能性を知り、その可能性を金に替えようという人々がさまざまな仕掛けを新しく作り出していますから。

 その上で、私自身がROに関わり続けるのは、以降のエントリでも書きましたが、Eirで少しばかりやる事が残っているのと、このROでの記憶を、こうして文章にしておきたい、という発想があるからです。

 っと。これだけで1日2日分のネタになるような分量になってしまいました。

 一応感想としてはこんな感じです。
 また何かあったらコメントしてくださいな。

 あ、リンクは、基本的に張ってくれた人には張り返します。紹介のお礼も兼ねているので。
 ではでは。
2005/10/13(木) 00:31:21 | URL | てぃめる #-[ 編集]
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