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フェイヨンの隠者 ~年老いた軍師の回想録~
その昔、ラグナロクオンライン(RO)のIris,EirサーバでGvGを戦った、叩き上げの元参謀がフェイヨンの酒場で静かに語る昔話。そして彼がかつて戦場にあった折、経験の中で得た、いくつかの教訓と知識。
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3,偉大なる指導力-ギルドにおける「人」-(22)
「わしが意欲的に活動しておったころは、自分自身の活動の中に、2つの含みを持たせておった」
「2つの含み…ですか?」
「うむ。ひとつは、同盟やギルドに対して、意見を述べ、正しくそれを承認させる方法を、実例を通してみなに見せること。もう一つは、皆から出てきた意見をきちんと考証し、それが妥当であれば評価して相手に伝え、同時にその表現場所へつなげることじゃ」
「…はぁ。なんとなくはわかりますが…」
「あまり具体的でない言い方をしたからの、よくわからんのも無理は無い。それぞれについて例を挙げるとするか」
 老人はスコッチを一口飲み込むと、窓の外に視線を向けた。今日も見事な満月が満天の夜空にかかっている。
「満月か。美しいな。人は澄み切ったものに美しさを感じるものなのかも知れぬ」
 その青白い月光から目を離さずに、老人は語り始めた。
「…同盟に在籍していたある頃、2つ目の砦を奪取するための派兵方法について一議論あってな。そのときの議論といったら玉石混交じゃった。いくつもの方法が表れては試され、ろくに評価もされずに方法が取り替えられる。メンバーは次から次へと変わる派兵方法を覚えることに追われ、また不慣れであるがゆえに、攻城戦中の時間を浪費しておった」
「派兵方法ですか。今でも時々議論されますね」
「このとき、わしはこの事態を打破するために、新たな派兵方法を考案した。が、これをマスターにそのまま提出して、後はすべて任せてしまったとしたら、承認の是非はともかく、ちともったいないと思ったのじゃ。そこで、わしはこの派兵方法を提出するに当たって、すべて段取りを踏んで行った」
「段取り…?」
「まずは、この案をギルド内で発表し、ギルド内でレビュー、評価を行う。ギルド内で賛成となったら、これを同盟内のキーマンに公表し、大枠で賛成を取り付けておく。その後にメンバーに一般公開し、レビューをしてもらう。メンバーから注文がなくなったらこれを実際に運用する。といった風にな」
「ずいぶん慎重だったのですね…手数も相当複雑ですが…」
「わしとしては、議題はともかく、こんな拙劣な方法で議論に時間を割かれているのも馬鹿馬鹿しいと思っとったからの。その意味では、逆にこの案は是が非でも成立させねば、と思っておった。が、わしの真意は実はもう一つあったのじゃよ。それは、こうすれば同盟に意見を通すことができる、ということを、ギルドのメンバー全員に知らしめること、じゃった」
 月光を愛でながら、老人はグラスを持ち上げ、杯を乾した。
「メンバーの中には、思案をいくつか持っていながらも、それを同盟内に対して話すことをためらうものも多かった。それは、どうすれば同盟に意見を主張し、それを通してもらえるか、ということを知らなかったがゆえじゃった。そこで、わしは、その方法を伝えるために、あえてこの大芝居をした、というわけじゃ」
 ふふふ、と含み笑いをしながら、老人はグラスをテーブルに置いて若者に向き直った。
「それから程なくして、わしは攻城戦から身を引いたからの。どれほど効果があったかは知らぬ。が、最近の流れを見ておると、まったく意味が無かったわけではない、とは感じたわな」


 これが1つ目の工夫「意見を通すためのやり方を見せること」です。
 老人の言うとおり、ギルドメンバーの中に、意見を成立させるためのプロセスを知らないがゆえに、自分の意見を言い出せない、そうした人がいる場合に、この方法は役に立ちます。
 インテルメッツォでも述べましたが、人間、自分が言ったことを素直に聞いてくれ、同時にそれによって何らかの成果が出るとすれば、それは非常にうれしいことです。
 そうした体験を感じるにはどうすればよいか。ということを、実例として伝達する、というのが、この工夫の狙いになります。

 2つ目の工夫については、次回に持ち越しましょう。
追記:

 これは今にして思うことですが、この1つ目の工夫、ある意味では、もっと一般化できることなのかもしれません。

 かつての私の仕事は、同盟やギルドで不合理な意見が出ている場合に、それを指摘して、正論、あるべき方向を示す、ということだったわけですが、1つ目の工夫として述べられたこの事柄は、自分がやっている仕事のプロセスを、そのまま示す、ということです。 それは、本文でも書いたように、自分が言った意見を通し、意図したとおりに組織を動かしていく、という、自分の仕事の楽しさを伝えることにほかなりません。

 となれば、これは他の仕事でも、同様に成り立ちえるのかもしれません。
 資金管理、外交交渉、PT編成。さまざまな仕事の楽しさ、面白さを、自分の行動を通して伝えること。
 敷衍して考えるならば、これこそ「1つ目の工夫」なのかもしれませんね。
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