フェイヨンの隠者 ~年老いた軍師の回想録~
その昔、ラグナロクオンライン(RO)のIris,EirサーバでGvGを戦った、叩き上げの元参謀がフェイヨンの酒場で静かに語る昔話。そして彼がかつて戦場にあった折、経験の中で得た、いくつかの教訓と知識。
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3,偉大なる指導力-ギルドにおける「人」-(19)
 こんにちは。では、作業の流れを俯瞰することについて、続きを述べていきます。

 ギルド/同盟の作業の流れを俯瞰する、ということは、

・1週間の作業の中で負荷が最も集中しているのは何の作業で、誰に集中しているのか?
・それは自分なのか、他人なのか?
・その負荷は工夫によって軽減できないか、それとも分担したほうがいいのか?

 といった、負荷/仕事の内容に関する事柄に加えて、

・ギルド/同盟にはどんな人がいるのか?
・その人はその人にふさわしい働きができているのか(楽しめているのか、も含む)?
・できていなければ、どういう働きをしてもらうのが本人/ギルド共にふさわしいのか?

 のような、人々の適性/性質まで踏み込んで、ギルドや同盟の現在のありようを考える、ということです。
 私も以前話した8ギルド大同盟のときに、同盟の作業を分割し、組織図を実際に書いてみて、誰がどの作業をどういう風にやると幸せになれるか、ということを考えました。
 ギルドについて考える時は、よほど大きなギルドでない限り、仰々しい組織図などは必要ないですが、頭の中に何人かのキーパーソンの顔を思い浮かべながら考えたものです。

 ギルド/同盟全体の作業の流れが俯瞰できたら、後はバランス感覚の問題です。
 それぞれの人々に無理がないように、かつ無駄な作業をしないように、みんなが楽しくGvに参加できるように。
 こうしたことを踏まえながら、理想的な人々の配置を考えていく、というところまでマスター/幹部自身が来れば、もう安心といえます。

 私自身も何人かのギルドマスターを見てきましたが、Gvにおける複数人の関与、という発想から見た場合、たいてい2つの類型に分かれていました。

・マスター自身は有能で仕事をバリバリこなす。一方、ギルドメンバーは仕事をあまり割り当てられていない。
・マスター自身はあんまり有能ではない。ただし、ギルドメンバーが有能なのでマスターが助けられている。

 程度の差こそあれ、この類型のいずれかに当てはまるマスターがほとんどでした。
両者の長所が並存している、ということは、マスターがよほどのやり手でない限り、難しいことです。少なくとも、私がこれまで出会ったギルドのギルドマスターには、そういう人はいませんでした。

 この2つの類型について考えた場合、どちらがより有効な組織/運営形態なのか?
 よく、私自身が在籍していたギルドのマスターと、こうした話をすることがありました。で、そのときに私は決まって、ある故事を話します。


「ずいぶん昔の話じゃが…、かつて、隣の大陸に秦と呼ばれる国家が作られたことがあった。秦の始皇帝で有名じゃな。この国が倒壊した後、二人の英雄が大陸の覇権をかけて争ったことがある。項羽と劉邦という名前の英雄じゃ」
「項羽と劉邦…、大陸には、『三国志』という書籍があるそうですが、そのあたりの時代ですか?」
「正確には三国志の前の時代じゃの。三国志は劉邦が建国した漢帝国が崩壊した後の話じゃからな。…おっと。結末を先に言ってしまったな。先ほど話した項羽と劉邦は相争い、結果、劉邦が勝利を収め、帝国を築いた。天下を取った後で、劉邦は家臣にこう問うた。『項羽ではなく、わしが天下を取った理由は、何だと思うか?』」
「…むぅ。ちょっと分からないですね。家臣たちはなんと答えたのです?」
「『陛下は傲慢で人を侮りますが、功績に厚く報い、得たものを広く天下に分かち合いました。しかしながら項羽は人を慈しむ一方で、賢者を妬み、功績のある者に恩賞を与えようとしませんでした。これが天下を失った理由と存じます』と答えた。こうしたことは実際にあったことらしい。項羽は自らの軍師まで、才に任せて追い払ってしまっておるからの」
「ふーむ…、で、劉邦はその答えで納得したのですか?」
「否とよ。劉邦は家臣たちを笑ってこう答えた。『おまえたちは一を知って二を知らない。策略をめぐらし、戦場の外で勝利を決定することに関して、わしは軍師の張良に及ばない。民衆を安心させ、補給を絶やさないということでは、宰相の蕭何に及ばぬ。軍を率いて戦争に勝つということでは、将軍の韓信にはかなわない。わしはこの三人の英傑を見事に使いこなした。項羽は自分の軍師范増一人すら使いこなせかった。これがわしが天下を取った理由だ』」と答えた。家臣たちはその答えに敬服したそうだ」
「なるほど、分かりました。これがご老人の答え、というわけですね」
「そういうことじゃな。項羽は武略において人々より数段優れていたが、結局天下を得られなかった。農民上がりの劉邦は何の特技もなかったが、友人や臣下の意見を尊重し、彼らを使いこなすことによって天下を得た。この意味は、人をまとめようとする者ならば、一考する価値があろうというものじゃよ」
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