フェイヨンの隠者 ~年老いた軍師の回想録~
その昔、ラグナロクオンライン(RO)のIris,EirサーバでGvGを戦った、叩き上げの元参謀がフェイヨンの酒場で静かに語る昔話。そして彼がかつて戦場にあった折、経験の中で得た、いくつかの教訓と知識。
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3,偉大なる指導力-ギルドにおける「人」-(12)
「ここらでもう一つ昔話をしようかの。あれは、先ほど話した面接に先立つこと二月…」
 話し始めようとして、老人は壁の時計が指し示す時刻に気づいた。
「っと。お前さん、もうすぐ日付が変わるが、わしなんぞに付き合っていて大丈夫なのか?」
「ええ。明日は非番なんです。その気なら朝まで付き合えますよ」
 青年は余裕の笑みを浮かべた。
「若いというのはいいもんじゃのぅ。徹夜もたいして体に堪えぬか。もっともわしも似たようなもんじゃが。年を取ると眠くなくなってしまってな」
「らしいですね。うちのおじいちゃんもそうでしたし。で、面接の二月前のお話とか…?」
 青年の指摘に老人が話を再開し始める。
「そう、あの面接の二月前じゃった。その頃、わしらのギルドは新たな同盟を結成し、いよいよ組織的な戦闘の段階に入ろうとしておった…」


 王都の夜は、いつまでも輝きと喧騒を失わない。
 酒場から聞こえてくる吟遊詩人の冒険譚、尽きることのない武勇伝。夜にあってなお王都の街の灯は、話に興じる冒険者たちを人工の光で照らし出してやまなかった。
「ふわぁ…」
 プロンテラ旅館、ネンカラス1F。
 ロビーのソファーに体を沈めた一人のハンターがあくびをかみ殺していた。
(今でこそもう慣れたとはいえ、フェイヨンと比べるとなんとも明るい夜だ…)
 ハンターが夜更かしをしてまでネンカラス1Fのソファーに座っているのは、これから始まる予定のギルド会議のために他ならない。
 ふと気づいて周りに視線を飛ばす。既に視界の範囲内に何人かのギルドメンバーが腰を下ろしていた。
「マスターはまだなのかな?」
「まだ来てないみたいだね」
 近くにいた男プリーストに尋ねたが、そんな返答が返ってくる。
 ならばしばらく待つか、と思ったとき、頭の中にマスターの声が聞こえてきた。ギルド内会話だ。
(じょんばんはー)
 なんとも締まらない挨拶だ。
 ああ、そうだった、とハンターは思い出した。そういえば同盟先のギルドのマスターが、妙な喋りをするので有名だったっけ。真似している訳か…。
 ハンターが一人で納得している間に、マスターは次回のGvの作戦を説明していく。今週は砦10個を連続して陥落させる、というのが趣旨らしい。
(一つお願いがあるんですが)
 頭の中に今まで聞いていたマスターの声ではなく、女の子の声が聞こえてきた。ワープポータルを担当しているプリーストの子だったか。今はすぐそばに座っているようだった。
 それにしてもマスターはいったいどこからしゃべっているのだろう?
(武器が破壊されたときのために、集合場所を精錬所が使える場所にしていただきたいです。ジュノーの中心部当たりがいいのですが)
(中心部は混雑するからねぇ)
 とマスターは返答する。
(今ジュノーの市街地東側にいるのですよ。ここを集合場所にしようかと思ってまして)
(東か…東でもカプラサービスは使用可能だったよね?)
 ハンターが問答に割り込んだ。
(ええ、使えると思います)
 マスターから返答があった所で、先ほどまでギルド会話で話していたプリーストが立ち上がった。
「ティメルさん、下見に行ってみますか?」
「そうだね、行ってみようか。ではお手数ですがワープポータルを」
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