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フェイヨンの隠者 ~年老いた軍師の回想録~
その昔、ラグナロクオンライン(RO)のIris,EirサーバでGvGを戦った、叩き上げの元参謀がフェイヨンの酒場で静かに語る昔話。そして彼がかつて戦場にあった折、経験の中で得た、いくつかの教訓と知識。
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3,偉大なる指導力-ギルドにおける「人」-(6)
「続いてギルド内部ですが、ご覧のとおり、変な奴らばっかりです」
 ニヤニヤと苦笑を浮かべながら、マスターはギャラリー、つまりギルドメンバーたちを見渡した。
「まぁ、お見受けしたところ、耐性はありそうだ。おそらく問題はないでしょう」
(…耐性ねぇ)
 ハンターはギルドマスターのその台詞を聞いて、顔に出さずに苦笑した。
(確かに、うちのギルドのメンバーは、変な趣味を持っていたり、時々奇声を発したりと、一風変わった連中ばかりではあるからな。だが、この入団希望者はそういったメンバーを相手にしても、引いたりすることはないようだし、問題はなさそうだな)
「あと、うちのギルドに入るに当たって、いくつかお約束があります」
「はい」
「まずは、この世界のマナーを守って行動してください。あとは、どこかのギルドのように、弱いものいじめをしないように。これだけです」
「わかりました」
「そうしたら、うちのギルドの説明はここまでなので、ここからは質疑に入ろうかと思います。まずは…」
「じゃぁ、私から一つ」
 ギルドマスターが質問を考えている間に、ハンターの男が挙手した。
「攻城戦の戦闘経験はいかほどおありですか?」
「期間ですか…大体4,5ヶ月ぐらいかと思います」
 ハンターの質問に対する回答に続いて、マスターが質問する。
「すると、前のギルドで攻城戦をされていた、ということですな。どのような役回りで出ておられたのですか?」
「役割…どういった意味の役割でしょうか?」
「普通に参加していたか、それとも司令官として動いていたか、そんな感じの役割です」
「普通に参加していただけですね」
「なるほど…メモメモ」
「マスター、私から質問が」
 再びハンターが手を挙げた。今度は何を質問するつもりなのだろうか。
「どうぞ」
「それでは、うちのギルドでは、どういった役割で参加したいですか?」
 質問の後に一呼吸おいて、ハンターは続ける。
「攻城戦の参加といっても、司令官、外交官、パーティ配属調整作業、作戦立案、そして普通の参加者と、さまざまな役回りがあります。どういった役回りをご希望でしょう。もし希望があるようでしたら、優先させてあげたいと思いますので」
 入団希望者は少し考えた後、ハンターの方を見て答えた。
「まだ、攻城戦経験も浅いので、普通の参加者でお願いします」
「そうですか。普通の参加者ということになりますと、司令部からの指示を受けて動く形になりますが、こうした集団行動とかには抵抗はないですか?」
「ないですね」
「ふむふむ」
 考えつつも、すぐにハンターは次の質問を発する。
「メンバーに会うことができる時間帯はどの辺りですか?」
「えーと、午後8時ごろから深夜2時ごろでしょうか」
「なるほど。すると連絡にも…問題なしか」
 うなずくと、ハンターはマスターの顔を見た。そのままアイコンタクトを始める。
(マスター、入団希望の彼に対する返事は、すぐに出した方がいいのかな?)
(急いではいないようですが、まぁ出してもいいかなと。私としては入団許可でOKですが)
(では、私からギルドメンバーに聞いてみます。彼らに特に異存がなければ、体験入団を許可しましょうか)
(了解、頼みます)
 アイコンタクトを終えると、ハンターはギルド内の人間にテレパスを送り始めた。エンペリウムによってギルドメンバーとなったものだけが使える会話方法だ。
(あーあー、マイクテストマイクテスト。ただいま面接中の人物ですが、一応私とマスターで検討したところ、入団を許可して問題ないだろうという結論に至りました。で、この場でOKを出すかどうかを皆様にお伺いしたいのですが)
(いいんじゃないかな)
(見たところ、うちのギルドの人間と同じ空気を感じるよ)
(二人が合意したなら問題ないでしょう)
(無問題)
 ギルドメンバーから矢継ぎ早にテレパスの返事が返ってくる。メンバーに異存はないようだった。
(マスター、では後は体験期間で確認しましょう)
(OK)
 テレパスの会話を終えると、マスターは結果を入団希望者に伝えた。
「それでは、入団を許可します」


「昔、こんな面接をしたもんじゃった。このとき入団した彼は、自らが冒険者を引退するまで、攻城戦を良くがんばってくれたよ…」
 一息つくと、さすがにのどが渇いたのか、老人はグラスから一口酒をすすった。
「さて、何のためにこうしたことをするか、それを少し考えてみるとしようか。もし思いついた点があったら、言ってみるがよい。このやり取りの中に、さまざまな事柄が埋もれておる」
「はい…」

 さて。
 ちょっと長かったですが、以前こんな面接をしたことがありました。この面接について、次回以降で考察していきましょう。
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