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フェイヨンの隠者 ~年老いた軍師の回想録~
その昔、ラグナロクオンライン(RO)のIris,EirサーバでGvGを戦った、叩き上げの元参謀がフェイヨンの酒場で静かに語る昔話。そして彼がかつて戦場にあった折、経験の中で得た、いくつかの教訓と知識。
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4,永久的な発展-同盟を結びし者たち-(74)
 「自分で先制攻撃を提案しておいて、こんなことを言うのもなんですが、もう一度白紙にして考え直してみましょうか」
 2時間半近く積み上げた議論を、あっさりと白紙にしようとするIllusionのナイト。
 そのとき、テーブルの末席から静かな声が聞こえてきた。
 「ほぅ…?」
 ナイトの視線が声の主の方角を向いた。
 「2時間半近くかけて、ようやく結論が出そうだったにもかかわらず…」
 声の主は、かぶっていた羽根帽子をゆっくりと脱ぐと、静かにテーブルの上に置いた。
 列席者の視線が集中する。というよりも、集中させざるを得ない何かが、これまで一言も発しなかったはずの、その人物からはにじみ出ていた。
 その人物はIllusionのナイトと、隣に座っていたSnowのウィザードをサングラスの奥から正視しながら、言った。
 「皆が苦労してここまでやってきた議論を白紙になさると…、そう仰るのかな?」
 
 無音の間を、まさに音もなく烈風が駆け抜けるような、すさまじい存在感と気迫を、人々はその人物から感じた。
 だが、もっともその威力を感じたのは、ハンターに視線を向けられた二人だっただろう。
 ハンターの声は、今までの誰の議論の声よりも静かだった。にもかかわらず、まるで大喝を受けたような蒼白な表情で、二人は竦みきっている。

 「う…いや、それは…しかし…」
 「そういうことですかな?」
 あくまでも冷静に確認する。だが、それに耐えかねたSnowのウィザードが、何を思ったか口にした。
 「ま、まぁ、とにかく落ち着いてください。冷静に」
 表面はともかく、ハンターは激怒していると、おそらくは思ったのだろう。だが、それこそがハンターの狙いだった。
 「私はいたって冷静ですよ」
 嘘ではなかった。それどころか、激怒していると感じたことそのものが、ハンターからすれば大嘘なのである。

 「先ほどもそこのロードナイトのお姉さんが言ったように、我々の目的は祭りです。祭りであるからには勝敗は度外視する。それが私たちのスタンスである、ということは申し上げたとおりです。そこはまったくご考慮いただけないのですかな」
 ハンターがそう問いかけると、
 「いや、そういうことでしたら先制攻撃でいいんじゃないですかね。あえて何も考えずに」
 Snowのウィザードがそう口にした。Illusionのナイトとずっと同意見であったわけだから、この台詞は本来おかしい。本人ですら無意識のうちに放った買い言葉だった。
 だが、ハンターはその一瞬の隙を見逃さなかった。
 「まったくその通りですね。では今週の作戦は先制攻撃。最大手同盟を2時間の間、終始攻め続けるとしましょう。異論のある方はおいでですかな?」
 こう言ったハンターから感じるのは、まるで冬が夏になったような雰囲気の変化だった。先ほどまで感じていた烈風のような気迫がまったく消えている。むしろ底抜けの明るい声にさえ、聴衆には聞こえた。
 気がついた人間は皆無だったが、見るべき人間が見れば、鮮やかなまでの返し手といえた。
 「それでよろしいかと」
 「了解しました」
 B.E同盟のメンバーだけではない。驚くべきことに、Snow、Illusionの両ギルドメンバー、そしてウィザードとナイトからも同意の声が聞こえてきた。
 (さて…と)
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2006/11/22(水) 21:09:28 | | #[ 編集]
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2006/11/25(土) 02:43:59 | | #[ 編集]
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