フェイヨンの隠者 ~年老いた軍師の回想録~
その昔、ラグナロクオンライン(RO)のIris,EirサーバでGvGを戦った、叩き上げの元参謀がフェイヨンの酒場で静かに語る昔話。そして彼がかつて戦場にあった折、経験の中で得た、いくつかの教訓と知識。
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4,永久的な発展-同盟を結びし者たち-(68)
 ネンカラスを出て、町の内壁に沿って道を北へ歩んでいくと、高くそびえる白亜の城壁と、それを取り巻く堀が見えてくる。
 ハンターは堀のふちまでたどり着くと、今度はそれに沿って西へと道なりに歩いていった。
 さほど経たずに城の入り口へとたどり着く。王城の正門は堀をまたいだ橋の向こうにあり、橋の入り口には左右に詰め所があって、兵士たちが控えている。
 「よう」
 ハンターが声をかけると、彼らは敬礼して応じた。
 冒険者たちは王城の南北を行き来することが許されており、行きかうものたちが多いゆえに、よほど怪しげな者たちでなければ、基本的に兵士たちは警戒しないし、案内人としての責務を果たすだけにとどまる。
 敬礼して応じたのは、このハンターの戦歴を知るものが、まだ残っているがゆえだろうか。
 ハンターはそんな門番たちの間を抜けて、いとも気安そうに王城へと入っていった。

 「無音の間…だったな」
 ハンターは王城の赤絨毯を踏みしめると、勝手知ったる我が家のように、迷うことなく歩を進める。
 同盟を指揮していた頃は、幾度か大会議をこの城内で催したものだった。
 無論同盟は大抵アジトを取得していたから、同盟会議程度ならアジトの会議室で十分事足りる。が、祭りのように複数の同盟が集うとなると、こうやって王城の一部を借り切って会議をすることもままあった。

 城内を歩いていると、年かさの戦士や文官とすれ違うたびに敬礼が返される。ハンターはそのたびに片手を上げて応じていた。
 若い兵士たちは、なぜ一介の冒険者に、隊長だの司令官だのといった高官が敬礼を返すのかが、まるで理解できないようで、その光景を見るたびに首をかしげている。
 ハンターは改めて時代の変遷を感じた。
 そんな光景を見て、かつては自分さえも、そうした新米の時期を潜り抜けてきていたことを思い出していた。

 無音の間付近にたどり着くと、入り口の近くには数名の冒険者がたむろしていた。
 知っている顔も何人かいるようだった。ハンターはその一人を見つけて声をかける。
 「はろぉ」
 「あ、お疲れ様であります」
 ハンターが声をかけたのは、女性のロードナイトだった。B.E同盟において、同盟相手のギルドのキーパーソンの一人だった。
 「このたびはティメルさんが来られたんですね」
 「ほんとはマスターに一任したいとこなんだがねぇ…。とりあえず、今回のお祭りの発案者は確かあなただと言う話だから、基本的には任せたよ」
 伊達に議事録を読んでいるわけではない。今回の祭りの件は、お祭り相手のギルドと、目の前のロードナイトの間に交友関係があったことが発端になっていることを、改めて確認するハンターだった。
 「分かりました」
 ロードナイトは緊張して答えた。彼女も同盟内においては自ギルドのマスター以上に精力的に働いて、同盟を引っ張っているやり手ではあるが、ハンターを目の前にしてはまだまだ経験で勝負にならない。

 そんな会話をしていると、
 「B.E同盟、ならびにIllusion、Snowの皆さん、そろそろ会議を始めたいと思いますので、ご参集ください」
 というアナウンスが部屋の中から聞こえてきた。
 「さて、行こうか」
 「はい…」
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