フェイヨンの隠者 ~年老いた軍師の回想録~
その昔、ラグナロクオンライン(RO)のIris,EirサーバでGvGを戦った、叩き上げの元参謀がフェイヨンの酒場で静かに語る昔話。そして彼がかつて戦場にあった折、経験の中で得た、いくつかの教訓と知識。
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4,永久的な発展-同盟を結びし者たち-(86)
 さて。
 同盟というものは、単に組織してGvをするだけではなく、方向性を意識して運営していく必要があり、その方向性は個々人の意識から得られる、ということが、ここまで述べてきたことです。

 この方向性というのは同盟の性格を決定付けるもので、同盟の今後を左右する大きな要素と言えます。
 具体的には、

・作戦内容の傾向性
・同盟資金の投資用途
・他同盟との外交方針
・新たにギルドに加えるメンバー

 といった、いずれも重要な活動内容に対して大きな影響を与えます。

 ことに、同盟内のギルドにおける人の出入りは、この同盟の方向性/方針に合う、合わないから来ていることが多いため、同盟が自勢力を維持する/拡大させるためには、いかに多くの人々を糾合できる方針を掲げられるか、という点に注意を払わなければならなくなってきます。

 私自身が同盟運営に参加していたときに、繰り返し同盟の首脳部に問いかけ続けていたのは、「自分たちは何のためにGvをやっているのか?」ということでした。
 首脳部のメンバーだけでなく、同盟のメンバー一人一人がどう考えており、彼らがどれだけそれを意識できているか。常にそのことを忘れないように、という意図で問いかけていたことでもあります。
 首脳部の意識とメンバーの意識にずれが出てしまったとき、同盟の勢力を維持することができなくなるのは自明だからです。

 この意識のずれを埋めるため、首脳部がどれだけメンバーの声に耳を傾け、彼らを納得させる形でGvを演出できるかどうか。
 同盟を指揮する者の一つの要諦と言えるでしょう。
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4,永久的な発展-同盟を結びし者たち-(85)
 「なるほど。同盟の進むべき方向性には、そういう意味があるのですね」
 「そうじゃ。皆がより楽しめるGvを実現するため、そして世界を変えていくために、考えなければならないことではある」
 「では、逆にお聞きしたいのですが、同盟がそれらの目標をすべて満たしたとするならば、方向性には意味がなくなるのでしょうか?」

 「…いまだかつてそんな同盟を見たことはないが」
 老人は前置きし、ハーブティーをすすりながら続けた。
 「そのときには、同盟にとってもっとも強力な問いが待っておる。すなわち『自分達は惰性に陥っていないか? マンネリ化した攻城戦で、皆を退屈させていないか?』という問いがのぅ。おそらくこの問いは最も強力なはずじゃ」
 「確かに。攻城戦を続けている以上、永遠に終わらない問いかけですね。たとえ何の問題を抱えていない同盟であっても、ここから逃れることはできない」

 「そういうことじゃな」
 老人は空になったティーカップを、静かにコースターの上に置いた。
 「まぁしかし、同盟を率いる者にとっては、この瞬間こそ楽しいものよ。皆の課題を大きなレベルで解決しつつ、世界の流れを自らの采配で変えていく。たとえさまざまな苦労があっても、何物にも変えがたい戦果、と言えるやも知れぬ」
 そう語る老人の顔には、確かに自ら世界を変えてきた者だけが顕現できる、誇りと喜びに満ちた笑みが浮かんでいた。
4,永久的な発展-同盟を結びし者たち-(84)
 例えば、「とにかくADが欲しいんだ!」というギルドが集まって同盟を結んだら、同盟としては確実に砦を取得する戦い方を作戦として立案するでしょうし、そのためのノウハウを蓄積するように同盟を変えていくでしょう。
 「平地戦万歳!」なギルドメンバーが多い同盟ならば、砦取得は度外視して、平地戦を仕掛けられる砦を探すための偵察能力を高める、といった発展の仕方もありです。

 つまるところ、同盟の進むべき方向というのは、Gvの規模が変われども出発点は同じで、ギルド/メンバーの目的を、より確実に、より大きく満たせる方向、という指針にしかならないわけです。

 しかし、同盟レベルでこのことを考える、という事には大きな意味があります。

 この章でも最初に述べましたが、ギルドというのは、同じ価値観を共有していることがほとんどです。その意味では、何かを議論したときに、比較的簡単に合意が取れるメリットがある一方で、新しい考え方、自分達と異なる考え方はなかなか導入できない、というリスクを持っています。
 同盟でものを考えるときというのは、こうした価値観同士がぶつかる可能性がある一方で、自分達が気付かない観点、考え方を取り入れることによって、より斬新な発想、議論をすることができる場にもなりえます。
 発想のコラボレーションの場所として、そしてノウハウの共有の場所として、より強力な力を持てるわけです。

 また、同盟で作られた指針、方針は、ギルド単位で作られたものよりも、はるかに大きな影響力を持つことができます。
 攻城戦の世界で強力な同盟が、ある方針の下に行動したことにより、ワールド全体の勢力図が大きく変わる、ということも珍しくはありません。
 メンバーの周囲の環境、ギルドの環境のみならず、世界全体に対して大きな変化を与えたい、と思っている者は、同盟の指針、進むべき方向性ということを、強く意識する必要が出てくるわけです。
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4,永久的な発展-同盟を結びし者たち-(83)
 「覚えておるかのう…お前さんと最初に会った日の会話を」
 「確か…」


「このときの経験でわしが学んだのは、まず同盟としての体制云々という前に、自分たちのギルドの足元固めをして、自分たちが何のために戦い、一致して何を目指すのかを明確化しなければならない…ということじゃった」


 「とお話されていましたね」
 「良い記憶力じゃな」
 老人は一言一句間違いなく自分の言葉を反芻した若者に、驚きながら賛辞を送った。


 フェイヨンの隠者において、いの一番にギルド、個人が攻城戦に参加する目的について触れました。
 なぜ最初にこれを触れたかというと、これがすべての原動力だからです。

 同盟の各ギルドやメンバーが大規模な攻城戦を楽しむために何をすべきか?
 その答えは、各ギルドやメンバーが攻城戦に参加する目的から導かれます。

 大規模なGvといっても、さまざまなメリットとリスクが混在しています。その中にあって、

・各ギルド/メンバーが欲しいメリットは何なのか?
・各ギルド/メンバーが避けたいリスクは何なのか?

 この2点を考えていくところに、同盟が目指すべき方向性が見えてきます。
 そしていずれの点についても、ギルド/メンバーが攻城戦に参加する目的に、密接に関わっているわけです。
4,永久的な発展-同盟を結びし者たち-(82)
 最後の2つのテーマを考える上で、最初の出発点をここに設定しました。
 すなわち「同盟はなんのためにあるのか?」。

 同盟に携わる者としては、色々な見方があります。
 その中で、同盟を「大規模なGvを実現するための組織」と考えたときに、その同盟の存在意義が、ある程度明らかになってきます。
 といって、同盟結成の目的を「大規模なGvを実現するため」と答えるのは早合点です。
 それは同盟自体にとっての目的であり、同盟の参加者にとっては手段でしかありません。

 私なりに答えると「大規模なGvをギルドメンバーが楽しめるようにする」という点が、「メンバーから見た」同盟結成の真の目的と言えるのではないか、と思います。


 「…と思うのですが、ご老人はいかがお考えですか?」
 老人はカップをテーブルに戻すと、大きくうなづいた。
 「全く異論はないのぅ。メンバーが戦いを楽しめなければ、何のための同盟か。戦うこと自体は手段であって目的ではないのじゃからのぅ」
 「そうですね」
 「最初にお前さんが発した、『どの方向に進むべきか』という問いの答えは、この目的に合致していなければならない、というのが、わしから言えることの一つじゃな」


 といっても、あまりにも抽象的ではないかと、ツッコミが入りそうな回答ではあります。
 『同盟がどの方向に進むべきか?』に対する回答が、『大規模なGvを楽しむために必要な方向に進む』では、確かに誰が聞いても具体的なイメージを展開しづらいでしょう。

 一見抽象的なこの問題に対しては、実は既に答を言ってしまっています。次回でそれを思い出してみましょう。
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